永遠にきみに
アイコは夏木にも、笑顔で挨拶している。
「夏木くんもおはよー!」
「………」
はい、来ました。
得意のシカトです。
あたしとアイコは、夏木の無愛想っぷりはもう塾で慣れっこだったから、全然平気だった。
けれど周りの生徒は明らかに引いている。
あたしは苦笑しながら、その様子を見守っていた。
そのうちに上級生が近寄ってきて、席に案内するために名前を尋ねる。
白石くんはあたし達とは少し離れた廊下側の席だった。
夏木は……
「わぁ!夏木くん席近いじゃん!」
「………」
あたしの隣の席だった。
アイコはいつもよりちょっと高い声で、歓声をあげる。
夏木の方を見ると、一瞬、視線がカチ合ったけれど、夏木は何も言わずに座ってしまった。
いつものように、むっつり黙り込んで、腕組みをしている。
あたしは、嬉しいような、照れ臭いような、変な気分で、アイコがはしゃぐ姿をただ見ていた。