永遠にきみに

光射す影



「お前、今日の当てられ率やばくなかった?」
「射手座が12位だったからね」
「は?」
「なんでもないよバーカ!」
「ふん、バカはお前だから」

屋上に入ってくるなり、夏木がニヤニヤと笑った。

たぶん、今日の6時間の授業で、あたしが18回も当てられたことを言ってるんだろう。

人をバカにするとき、夏木は超イイ顔で笑う。

と、最近わかった。

あたしはむかついて、マンガ雑誌から目を離さずに言った。

ちなみに「は?」と「ふん」は、夏木の口癖だ。

このワンパターンやろう!

頭の中で思ったけど、口には出さない。

夏木には絶対口じゃ勝てないから。

講習会が終わり、もう塾に通う必要もなくなったというのに、あたしはまだ屋上に来ていた。

どうやら夏木もここが気に入ったのか、時々こうして気まぐれにやってくるようになった。

入学式の日、しっかりあたしをシカトしたくせに、ここでは普通に話しかけてくる。

よくわからない、謎なやつだ。


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