天から舞い降りた赤ちゃん


「歩ちゃん、どうしたのかしら」


歩ちゃんを抱っこした途端に、微かに微笑んだように、泣くのを辞めて、私の顔を真っ直ぐ見つめてる。


「抱き締めて貰うの好きなのかなぁ。
淋しかったの。
そっかぁ、淋しかっただね」


何で泣いたのか、分からないが、寝て起きて、誰も居なかったから淋しかったのではって、思って、ゆっくり話し掛けてみた。

きょとんとした表情をしながら、見つめる姿は、可愛い。


タッタッタタタタ


足音と同時に、


「梨結、歩ちゃんの様子はどうなんだ」


低音の心地よい、輝の声が背後から聞こえて来たから、


「泣き止んだけど、淋しかっただと思うわ」


って、輝の顔を見ずに答えた。



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