[短編]君と過ごす日々
「由奈、本当にいいの?」
今日は、大晦日。
結局櫂から連絡なんてなく当日を迎えた。
あの日結局気持ちを抑えられなかったあたしは電話越しで思いっきり泣き、それを心配した美奈が家まで来てくれた。
美奈には気持ちを話した。
美奈は「櫂君は本当に由奈が好きだと思ったのにな」
と言っていた。
そんな事ないよ、とあたしは流した。
「いいよ。
美奈は、悟君とデートしてきな」
「う・・ん。けど、なんか合ったら連絡するんだよ」
「分かった」
ピッ
電話を切り、携帯を閉じる。
はぁ・・美奈に心配かけちゃったな。
櫂を好きだと自覚して・・けど本人に伝える勇気もなくて
それどころか「好き」って自覚した途端、連絡して断られるのが怖くて連絡できなくなった。
あたし、そんなキャラじゃないのに・・人を好きになるとこんなに臆病になっちゃうんだね。