[短編]君と過ごす日々
「何泣いてるんだよ」

フワッ
と後ろから抱きしめられた。

櫂の香り。

大好きで・・・すごく会いたかった櫂のぬくもり。

「ふっ・・・・ふぇ」

「泣くなよ」

片手であたしの頭を撫でてくれる。

「ど・・うして?」

「会う約束しただろう」

「けど・・メールくれなか・・った」

「携帯忘れてたんだよ。
帰ってメールみたら由奈からあったからメールしても電話してもお前でないし」

「えっ」

あたしは携帯を取り出す。
・・あっ、本当だ。
着信もメールも櫂でいっぱい。

「まっ、ここかな?とは思ったけどな」

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