[短編]君と過ごす日々
あたしの方に周り櫂と目が合う。
優しく微笑んでくれる。
いつもの櫂だ。

ジワッ、
その顔を見たらますます目頭が熱くなり
ポロポロ、
涙が溢れ出る。

「ちょ・・・どうしたんだよ」
櫂がコートの裾であたしの涙を拭う。

「す・・すみれちゃんは?」

「んっ。あぁ、断ったよ」

「けど・・二人で会ってたって美奈が・・」

「見てたのかよ。
あれはデートしてくれたら諦めるっていうから一回だけ会ったんだよ」

「ふっ・・うっ・・れ・・連絡くれな・・かった」

「それは・・由奈が鈍いから」

「えっ・・」

「逆に質問。
由奈は何で泣いてるの?」

櫂の真っ直ぐな瞳。
目が離せない。

「櫂に・・・会いたくて・・会えて嬉しいから」
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