あなたは執事
私の頭蓋骨に放たれたはずの銃弾は
いつの間にか後ろに回りこんでいたエノクの手に握られていた




「ふう、お嬢様今のは危なかったです
挑発して遊ばないでください」



掴んだ銃弾を眺めてハンズの手に握らせる



「いいじゃない、楽しかったし」



エノクは私を抱き上げて、ソファに降ろした
そして、私がいくら足掻いても取れなかった鎖を
千切って見せた



「お嬢様をこんな玩具で縛るとは・・・
無礼にもほどがある」





これを見ていた放心状態だったハンズは


「おいっ!!
エノクとやら、私の屋敷で働かんか?
報酬は・・・いまの10倍いや50倍出す!!」




こんな甘い誘いを持ちかけたハンズにエノクは
にっこり笑っていった







「いいえ、遠慮しておきます
私は金にも権力にも興味がありません
あってもあなたのようなドブネズミに飼われるのなら
死んだほうがましですよ」










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