さよならイエスタデイ【短】
…最悪。
好奇心に任せて聞いたことを、
今更ながら後悔した。
『…あっそ。
せいぜい、頑張って』
声は震えていただろうか。
それさえも気にならないほど、
あたしは動揺していた。
「霞…?」
心配そうにあたしを呼ぶその声も。
今はただ…悲しいよ。
家に帰って、あたしは部屋に直行した。
部屋に入った途端、あたしの涙腺は崩壊した。
男の子みたいなあたしが、
こんなに大泣きするのもアホなのかもしれない。
……でも。
あたしは叶わないと分かっていた恋に、
わずかな期待を抱いていたから――。
その期待さえも淡く、消えてしまったから、
泣いているんだよ。