treasure hunting
一学期・扉
  二年前―平成17年4月―

 
   「よっしゃ!OKやわ。」
  今日は中学校の入学式だ。今日新一年生になる私、横井ユカリは鏡の前に立っていた。
   
   肩下の脱色したばかりの髪。
   2回まげたスカート。
   白のハイソックス。
  カバンには・・・少し大きめのマスコットがついている。
 ・・・ほとんど校則違反である。でも私は気にせず・・・ポジティヴに・・・が
   私のモットーである。
   「いってきまーす!!」
   「いってらっ・・・ちょ、ちょっと!ユカリ!あんた何て格好を・・・」
   
    バタン。
   
  お母さんの説教に見送られながら玄関のドアをむりやり閉め、中学校へ向かった。

   「モエ!おはよー!ヒサシブリ☆」
   「あ、その声は・・・ユカリ!・・・ちょ、ちょっと!あんた何て格好してるの?!」
  お母さんと同じようなことを言ったのは、小学校からの友達、杉坂モエだ。
  モエはとにかく明るい。お笑い系だ。いや、こんなのほめ言葉にならないけど・・・
  小学校のときは私とよくつるんでいた。まあ春休み中遊んでいたからヒサシブリでは
  ないけど。
   モエはクラス替えの紙をもう見ていた。
   「あたし三組やった。えーっと・・・ユカリは・・・あ!同じじゃん!」
   「え?!まぢで!・・・本当だー!やったあ!!」
  なんと、モエと一緒のクラスだったのだ。これにはビックリ。結構荒れている私らだから
  絶対離れていると思っていたのに・・・!
   私とモエはハイタッチをかわす。
   「イェーーーイ☆」

  入学早々ラッキーなことが起こり、私はテンション急上昇だ。
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