『naturally』

「おまえが女だろうが男だろうが、俺はおまえの剣術を認めてる」


「リューシュ様……」

「俺一人じゃ不満か?」


微笑みながら問いかけるリューシュに、シェナは力一杯首を左右に振って否定してみせる。


タブーとわかりながら、人知れず亡き弟の代わりをしてきた自分自身がリューシュの言葉で報われた気がした。



「私にはもったいないお言葉です」


こう言ってシェナが小さな笑みを浮かべ、リューシュに深く一礼をする。


「さっ。疑問もスッキリしたことだ。明日こそ決着つけんぞ」

「……二言目にはそれですね」

「中途半端なまんまってのもヤだろ。明日で舞踏会も終わっちまうしな」


明日で舞踏会も三日目。

これが終わればもちろんシェナはミリザ姫と共にクロチェ国へ帰ってしまう。


その前にリューシュはなんとしてもシェナと決着をつけてしまいたいらしい。



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