『naturally』
Ⅴ
そしていよいよ、舞踏会は最後の夜を迎えようとしていた。
最終日だからと言って、昨日兄たちと交わした約束を果たすつもりなどリューシュには無い。
今のリューシュの中には、それ以上に大切な約束があるのだ。
「これは、リューシュ様っ」
シェナとの約束を果たすべく、例によってリューシュはミリザ姫の部屋を訪ねていた。
そこには肝心のシェナの姿が無く、仕方なくリューシュはミリザ姫の部屋の扉をノックしたのだった。
またしても突然現れたリューシュにミリザ姫は目を丸くし、慌てて一礼してみせた。
「シェナはどちらに? 剣術の約束をしたんですが姿がなくて」
開口一番に出されたシェナの名前に、案の定といった感じでミリザ姫が相槌をうった。
「シェナでしたらわたくしの衣装が破れてしまったので、代わりにこちらの城の衣装を貸していただけるように頼みに行かせておりますわ」
最終日だからと言って、昨日兄たちと交わした約束を果たすつもりなどリューシュには無い。
今のリューシュの中には、それ以上に大切な約束があるのだ。
「これは、リューシュ様っ」
シェナとの約束を果たすべく、例によってリューシュはミリザ姫の部屋を訪ねていた。
そこには肝心のシェナの姿が無く、仕方なくリューシュはミリザ姫の部屋の扉をノックしたのだった。
またしても突然現れたリューシュにミリザ姫は目を丸くし、慌てて一礼してみせた。
「シェナはどちらに? 剣術の約束をしたんですが姿がなくて」
開口一番に出されたシェナの名前に、案の定といった感じでミリザ姫が相槌をうった。
「シェナでしたらわたくしの衣装が破れてしまったので、代わりにこちらの城の衣装を貸していただけるように頼みに行かせておりますわ」