『naturally』
「リューシュ様……」
傍らのシェナをリューシュは力強く抱き寄せた。
自分よりずっと華奢な体にますますシェナの中の女性を感じて、今まで感じたことのない感情は止めどなく溢れ出す。
「初めてだ。着飾った女が綺麗って感じたのも、自分のものにしたいって思ったのも……全部おまえだけだ」
腕の中のシェナをしっかり見据え、その中に想いを届けていく。
「本当に……優しい人ですね」
「……えっ?」
「女であるわたしの剣術を認めてくださったのはあなただけです。わたしの心に気付いてくださったのも……。こうして、好きと言って抱きしめてくれるのも」
こう言ってシェナがすぐ傍にあるリューシュの背中に両方の腕を回した。
「わたし女に生まれて良かったって、初めて感じてます」
リューシュを見上げたシェナの唇にリューシュのものが重なり、瞳は恥ずかしさで熱っぽく潤んだ。
広く深いベッドは二人をただ受け止める。
覆い被さる体に見つめる瞳。
もう一度だけ重なった唇が合図のように、シェナは自分の細い指をリューシュの指に強く絡めた。