『naturally』
これは、シェナがリューシュと共にマーセル国に渡って約一ヶ月後のお話。


「なんで国をあげて結婚式挙げる必要があるんだよっ!」


という相変わらずのリューシュの我が儘っぷりで、二人が二人きりの結婚式を挙げてから早二週間。



「シェナ~。今日はブルーベリーティーと胡桃のクッキーを用意したよ」


出来立ての可愛い義妹をやたらに溺愛するナッシュは、リューシュの目を盗んではシェナとの穏やかなティータイムを過ごすのが新たな日課になっていた。


少し戸惑ったようにはにかんだシェナの口に胡桃のクッキーを差し出し、


「はい。あーん」


「……ナッシュ義兄様。あの、自分で食べれます」


「まあまあ、そう言わずに~」


真っ赤になったシェナを、なんだか満足そうに見つめては楽しそうに笑っている。



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