『naturally』
そして、他人の女には関心なんてないだろうと、リューシュもノーマークだったセルシュは最近、
「今日はブルーベリーティーか」
「やぁ、セルシュ。今日は何を持ってきたんだい?」
「今日はリューシュが耳下腺炎にかかったときの写真を持ってきた」
ナッシュとシェナのティータイムに子どもの頃のアルバムを持って来ては、
「……顔がパンパン」
「こっちなんか両方腫れている。ヒドい顔だろ」
リューシュの昔話をするのを楽しんでいるとか……。
「あっ!! また兄貴たちっ!!」
そしてその光景を見つけたリューシュが、
「あーあー。せっかく閉じ込めて来たのに、もう出て来ちゃったか」
「アイツは体力だけはあるからな。ベランダをつたって来たんだろう」
慌ててシェナの元に駆け寄って行くのもまた、マーセル城での日常になっていた。