『naturally』
Ⅱ
翌日。
舞踏会の支度に勤しむミリザ姫の部屋の前で、支度を待つシェナに思いがけない声がかかった。
「警備なら配置してるんだ。無用だろ」
「リ、リューシュ様。昨日は知らずとはいえご無礼を……」
「ご無礼? それ言うならいきなり一戦申し出た俺の方が無礼だろっ」
「しかし……」
「王子つったって歳なんてお前と変わんないくらいだしな。それよりも俺は昨日の続きがしたいんだよっ。 付き合え」
こう言って屈託ない笑顔で笑うリューシュに、シェナは戸惑いを隠せない。
一国の王子とわかった以上、易々と剣を向けることなど一介の親兵である自分には出来ない。
躊躇うシェナに構わず、リューシュは勝手にミリザ姫のいる部屋のドアをノックし始めた。
「リューシュ様っ!」
「様ってやめろ。気持ち悪い」
「しかしっ」
扉の前でお互い食い下がる二人の前に、
「……リューシュ様っ!」
ノックされたドアから支度中のミリザ姫が顔を出した。
呼んだのはシェナだとすっかり油断していたミリザ姫が、突然視界に飛び込んできた第三王子に慌てて一礼をしてみせた。
舞踏会の支度に勤しむミリザ姫の部屋の前で、支度を待つシェナに思いがけない声がかかった。
「警備なら配置してるんだ。無用だろ」
「リ、リューシュ様。昨日は知らずとはいえご無礼を……」
「ご無礼? それ言うならいきなり一戦申し出た俺の方が無礼だろっ」
「しかし……」
「王子つったって歳なんてお前と変わんないくらいだしな。それよりも俺は昨日の続きがしたいんだよっ。 付き合え」
こう言って屈託ない笑顔で笑うリューシュに、シェナは戸惑いを隠せない。
一国の王子とわかった以上、易々と剣を向けることなど一介の親兵である自分には出来ない。
躊躇うシェナに構わず、リューシュは勝手にミリザ姫のいる部屋のドアをノックし始めた。
「リューシュ様っ!」
「様ってやめろ。気持ち悪い」
「しかしっ」
扉の前でお互い食い下がる二人の前に、
「……リューシュ様っ!」
ノックされたドアから支度中のミリザ姫が顔を出した。
呼んだのはシェナだとすっかり油断していたミリザ姫が、突然視界に飛び込んできた第三王子に慌てて一礼をしてみせた。