飛べない羽根
この子たちの恋愛事情には
興味ないから、
近くの窓から
やたらと晴れてる空を見上げる。
何処までも澄んだスカイブルー
あそこに溶け込めたらいいのに
くすんだ灰色の羽根なら
きっと見つからないでしょう?
あぁ、残念
わたしは飛べないんだ
はぁ、と小さくため息を
そっとこぼして雑巾がけ
濡れた指先が赤くかじかむ
て言うか箒、早く掃いてよ
心のなかで、軽く毒づく
話しながらでも
遅すぎだろ。
いらいらするなぁ
あぁ、寒い。