短小説
走り出しては止まらない
好きな子がいる。
同じクラス…共通点はこれだけ。
その子はおとなしい子だから。
うるさい僕等のグループには入ってこない…。
どうにかして、気を惹かせなければ…このままではうるさい、やかましい男で終わってし
まう。
彼女の前でわざとらしくこけてみた。
「わぁ~」
「大丈夫?」
声をかけられて…声の方を見たら、先生で!!
彼女はスタスタ僕を無視して次の教室へと行ってしまった。
はい、次。
教室で大声でラブソングを歌ってみた。
彼女を想って歌った。
彼女の反応は…。
彼女は友人たちと『うるさい』と言って教室から出て行った。
もうやることはない。
アピールのやりかたを知らない。
帰り道、ノラ猫をいじくる。
ふと隣りに視線、か、彼女が見ていた。
「あ~!!」
テンション上がって、彼女のフルネームを口ばしってしまった。
そして、猫を見せてあげた。
そこから彼女は僕を見ているようだ。