喫茶ノムラへいらっしゃい!
バレンタイン当日。

授業が終わると、私はいてもたってもいられなくなって、学校を飛び出した。

部室にも行かず、井上にも会わないで。

向かう場所は、喫茶ノムラ。

早くしなきゃ。



息を切らして、喫茶ノムラに飛び込んだ。

バレンタインの喫茶ノムラは、取材の日とは比べものにならないくらい混んでいた。

私はまっすぐレジに向かう。

今日は奥さんがお店に出ていた。

「いらっしゃい。今日は、どうしましたか?新聞のおかげで、今年は今までよりお客さん増えたんですよ。」

にっこり笑って言ってくれる。

「あの、この前食べたマシュマロチョコが忘れられなくて。すごくおいしかったんです。」

「よかったね。最後の1つですよ。」

急いでお金を払うと、私はまた学校に向かって走り出した。
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