喫茶ノムラへいらっしゃい!
部室に入ると、私はすぐに井上を探した。

「井上!いる?」

本棚の陰からひょこっと井上が顔を出す。

「先輩。どこ行ってたんですか?探しましたよ〜。」

「井上、いいから、ちょっと来て。」

私は井上を屋上に連れ出した。



屋上に着くと、私は井上の方を向いた。

「井上、これあげる。」

私は井上にさっき買ったばかりのマシュマロチョコを渡した。

「えーっと、これ…?」

「今日、バレンタインだから、喫茶ノムラのマシュマロチョコ。私に似てるんでしょ?」

井上の顔が真っ赤になる。

「私をその気にさせといて、何も言ってこないなんて許さないからね。」

そう言うと、私は井上に背を向けて歩き出した。

ここまで私に言わせといて告白しなかったら、絶対に許してあげないから!
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