喫茶ノムラへいらっしゃい!
私は、バレンタインの告白には私の手作りチョコレートって決めている。

お店のチョコレートがウワサになってても、絶対手作りする。

だって、お店のチョコレートはお母さんが作ってるんだよ。

おいしいのは認めるけど、娘の私が告白に使うのに、お母さんが作ったチョコレートはいけないと思う。

じゃあ、私は何を作る?


…ってか、私、加藤さんに告白するの!?

なんか、うまいことお母さんに乗せられてしまってる。

お母さんの何か企んだようなさっきの笑顔が蘇る。

あー、どうしよ。


「姉ちゃん!」

恵紀が階段の下から叫ぶ。

もうっ、今、考え中なんだってば!

「姉ちゃんっ!!」

恵紀が声を大きくする。

うるさいな!

「何!?」

恵紀に負けないように大声で怒鳴り返す。

「ココア作って!」

はぁ?
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