喫茶ノムラへいらっしゃい!
決戦日、私は朝から落ち着かなかった。

授業も上の空で、全然頭に入ってこない。

放課後のことを考えると緊張して、何にも手に着かない。

こんな風になっちゃうんなら、放課後なんてずっとこなくていい。

でも、この時間がずっと続くくらいなら、さっさと告白しちゃった方がいいかも。

あーっ、なんか、パニクってきた。

私がこうしているうちも、時計の針は確実に歩みを進める。



だけどお店に帰ると、私の緊張なんかどっかに行ってしまった。

何!このお客さんの数!!

「チョコォ、早く着替えてきて〜!」

お母さんがレジから叫ぶ。

「料理が間に合ってないの〜!!」

「もう少し頑張って!すぐ行くから。」

やっぱり、私にはバレンタインにドキドキしてるヒマはない。
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