喫茶ノムラへいらっしゃい!
外は風もなく、穏やかな夜だった。

「加藤さん。」

「ん?」

「どこ行くんですか?」

「ちょっと、公園まで散歩。寒い?」

「いや、大丈夫です。」

それから私たちは公園まで黙って歩いた。



公園に着くと、私たちはベンチに座った。

街灯の少ない公園は、お店の前より星がたくさん見える。

「チョコちゃん。」

「はい?」

「知ってる?冬は1年の中で一番星がきれいに見えるんだよ。」

「そうなんですか。」

確かに、星のまたたいているのまで見える。

「チョコちゃん。」

「はい。」

「ホットチョコレート、おいしかったよ。ありがとう。」

「本当ですか、よかった〜。」

手紙、読んだかな。

「あと…、手紙、読んだよ。びっくりしたけど、嬉しかった。」
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