喫茶ノムラへいらっしゃい!
「本当…ですか?」

「うん。俺もチョコちゃんみたいな子が彼女だったらいいな。」

「ふぇっ?」

どんな声出してんだ、私。

加藤さんが私の目を覗き込む。

「付き合っちゃう?」

イタズラっぽい笑顔。

初めて見る加藤さんの表情。

加藤さんって、こんな顔もするんだ。

「えっと…私なんかでいいなら。」

チョコがいいんだよ、と言いながら、加藤さんが私の頭をポンポンする。

「チョコ。」

いつの間にか、‘ちゃん’付けじゃなくなっている。

「はい。」

「目、つぶって。」

そっと目をつぶると、加藤さんが言った。

「今日のお礼。」

唇に触れる感触。

チョコレートの味とブランデーの香りがほんのりとする。

「びっくりした?」

加藤さんがまた、いたずらっ子みたいな顔で笑う。

んもう、この人は私をどれだけメロメロにすれば気が済むんだろう!!
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