喫茶ノムラへいらっしゃい!
かっちゃんこと山科克樹は、私の幼なじみだ。

お母さん同士が友達で、小さい頃から一緒に遊んでた。

幼稚園の時も小学校の時も中学生になった今でも一緒。

こんなにずっと一緒だったら、兄弟みたいなものだ。


そう思っていた、灯吏に言われるまでは。

夏休みが明けた頃、突然灯吏が、山科君のことが好きなんでしょ、と言い出した。

そんなことはない、って私も最初は言い張っていたけど。

気がつくと、かっちゃんを目で追ってる自分に気がついた。

授業中も、放課後も、いつも……

私はかっちゃんのことが好き?なのかな。

きっと、好きだ。

近すぎて気づけなかったんだ。

この『好き』の気持ちが、恋なのかどうかはわかんないけど。
< 5 / 58 >

この作品をシェア

pagetop