* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
目が覚めて部屋を見回すと真っ暗
で…自分が随分と眠っていた事に気付く。


「はあっ!?もう7時じゃん!!」


果凜…帰ったのかな…。


隣の部屋からは何の物音も聞こえて来ない…。


俺は跳び起きてリビングに降りて行く。カレーの旨そうな匂い…。


「お袋!!飯が出来てんなら.なんで
起こしに来ねぇんだよ!!」


「ギャーッッ!!!」


「な.何だよ!!どうしたんだよ!!」


「あんた部屋に居たの!!
居る事さえ気付いて無いんだから
起こしに行ける訳ないでしょ!!」


息子が居る事に気付かない上に逆ギレかよ…。


「玄関見りゃ靴があんだからわかんだろ!!」


「今日は女の子の靴が一番に目に
入ってあんたの靴なんか気付か
なかったのよ!!岳の彼女見た?
凄く綺麗な女の子だったのよ♪
お母さんびっくりしちゃった!!」


「勝手にびっくりしてろ…。で?岳は?部屋に居ねぇみたいだけど…。」


「あぁ.15分程前に彼女を駅まで
送って来るって出て行ったわよ。」


15分前…。


「お袋!!ちょっと出て来る!!」


俺は走り出していた。


「陸!!カレーは!?食べるんじゃないの!?…もぉ〜っ!!あんた.早く帰って来ないと晩ご飯.抜きだからね!!」
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