* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
瞼が重い…。


顔を洗う時に鏡で見た俺の顔は
ヤバイ位に酷い顔になっていた。


昨日…果懍の声を聞いた瞬間から
流れ続けていた涙…。
瞼が重いと感じる程.腫れ上がっている。


俺の顔を見たお袋は何も言わずに
目を反らす。


慌てて台所に行ったお袋を見ると
肩が小刻みに震えている。


岳も今日は話し掛けて来る所か
俺の顔さえ見ようとしない。


沈黙の中.黙々と朝飯を食う。


「ククク…ッ。もうダメ!!お母さん
我慢出来ない!!キャハハッ♪」


「ブッ!!ハハハッ…母さん!!
そんなに笑ったら陸がかわいそう
だろ。ハハハッ…♪」


2人が俺を指差しながら腹抱えて
笑ってる。


「だって!!陸の顔…ブサイク
なんだもん!!キャハハ♪」


「朝から人の顔見て爆笑してんじゃねぇよ!!」


俺はまだ腹抱えて笑ってる2人に
捨て台詞を吐いて家を出た。


今日は随分早く家を出るはめに
なってしまった。


クソッ…アイツら人の顔見て笑い
やがって…。


案の定…学校に着くと数える程の
人数しかいない…。


学校に早く来すぎて損した気分に
なるのは俺だけだろうか?


誠也…早く来ねぇかな…。


来る訳ねぇか…。
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