* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
夜になり俺は手紙を読む覚悟を決めた…。


どんな事が書かれていても仕方が無い。


俺が果懍を好きになったばっかりに…岳は果懍を傷付けた。


果懍の悔しい思いを受け止めよう…。


胸の鼓動が激しくなる。


情けない位にまた手が震え出す。


ゆっくり手紙を開く。


書かれていた言葉に俺の
目から涙が零れ落ちた。


そこには…思ってもみなかった言葉が書かれていたんだ…。



 -------------------- 

私は陸君とじゃなきゃ
幸せになれないよ。

ずっと待ってる。

陸君.ギュツってしてね…。

      果懍

 -------------------- 


涙が止まらない…。


俺にはこの言葉だけで充分だった。


俺はこの言葉だけでこの先も
頑張る事が出来る。


ここを出た後も果懍に会う事は
俺には許されない。


理由はどうあれ犯罪者となった
俺が果懍の傍に居る事は許され
ないんだ。


果懍…お前は俺と一緒に
居たらダメなんだよ。


俺と居る事でお前は岳を思い出すだろう…。


お前はそんな苦しみの中で
生きて行く必要は無いんだ。


果懍…幸せになれ。


もう俺の事は忘れて幸せになれ…。
< 170 / 437 >

この作品をシェア

pagetop