* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
少年院に送致されて7ヶ月が過ぎた。


今日も送られて来た誠也からの
手紙には無事に卒業出来た事が
書かれていた。


誠也…よく頑張ったな…。


約束.守ってくれてありがとう。


卒業おめでとう…。


誠也は進学を辞め親父さんの
お兄さんが経営する車の整備
会社に就職するらしい。


そんな誠也の手紙の最後に
書かれていた言葉がいつもとは
違った…。


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P.S

俺の卒業証書はお前との
約束があったから貰えたんだ。

だから祐輔に卒業証書を見せに
行くのはお前が帰って来てからだ。

陸.あともう少しだ…頑張れ。

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バカ…。


お前が頑張った証じゃねぇか…。


やっぱりお前は…バカ野郎だよ。


次の日お袋が面会に来た。


来るとお袋はいつも俺の身体を
気遣かってばかりいた。


そんなお袋は見る度に
痩せて顔色も悪く見えた。


「こんな事…俺が言えた義理じゃ
ないけど…。
俺なんかの事より自分の身体
大事にしてくれよ…。」


俺の言葉にお袋は一瞬
顔を歪めた。


目には涙が光っている。
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