* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆

９時５分前になるとみんなが下の
作業場へと降りて行く｡


｢陸.お前はこれに着替えろ｡
ロッカーは奥から２番目に
用意してあるから｡｣


叔父さん…いや…社長から
真新しい作業服を渡された｡


｢着替えたら下に降りて来いよ｡
今日から久志に就いて仕事覚えて
もらうからな｡｣


｢はい!!｣


更衣室に入って１番奥へと進む｡


奥から２番目…｡


あった…｡


そこにはちゃんと｢前園｣
と書かれたネームプレート
が貼ってあった｡


早速.作業服に着替える｡


紺色にサイドには白の２本
ラインが入ったつなぎ｡


今はまだ汚れ一つ無いつなぎに
今日からたくさんの汚れや油が
付いて行くと思うと喜びさえ
感じていた｡


更衣室を出るとさっきの女が
テーブルの上のコップを片付けて
いる所だった｡


その後ろ姿からはスカートが
短すぎてパンツが丸見えだった｡


ﾁｯ｡…朝から気分が悪く
なりそうだった｡


｢ｷｬｯ!!誰?…新しい人?｣


｢…あぁ｡｣


俺が下に降り様とすると
また話し掛けて来る｡


｢名前なんて言うの!?｣


｢前園｡｣


｢下の名前は!?｣


うぜぇ…｡


俺は返事もせずに下に向かった｡