* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
脳挫傷による後遺症。


あの日.岳への診断結果は
脳挫傷に内臓破裂.全身打撲…。


重体だった…。


岳の開き直った態度と果凜を侮辱
したアイツに俺は怒りが止まらず
正直…俺は岳が死んでも構わない
そう思ってた…。


今も岳に対する憎しみは
計り知れない。


少年院に入ってから一度だけお袋
に岳の事を聞いた事があった。


ただ一度だけ…。


少年院を出てからも
岳に対しては…会いたくな
いと言う思いだけで…。
あれからどうなっているの
かなんて…聞く気も更々な
かった。


あの時お袋が言った事が
俺に対しての気遣いだった事も
今.初めて知ったんだ…。


「アイツ…身体.半分動かないの?」


「退院してからも.時々はリハビリ
も行ってるみたいなんだけどね…
岳に治そうと言う気持ちが
無いんだよ…。」


婆ちゃんは真面目にリハビリを
すればきっと身体も動くように
なるのに…。
そう言いながら泣いていた。


「岳はプライドが高い所が
あるから…あんな身体になって
俺の人生は終わりだって言ってね…。もう自分の人生を諦めちやってるんだよ…。」


婆ちゃんが言った言葉に俺は
あの日の事を思い出していた。
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