* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「じゃあ.また明日来るわね。」


「わかった。おやすみ。」


面会時間が終わって
父さんと母さんが帰って行く。


一人になるとずっと感じていた
違和感を確かめる。


身体全体の左側を触ってみる…
やっぱり…何も感じない。


右側は自由に動かせるのに…。


俺の身体はどうなって
しまったんだ?


-トントン-


「はい…。」


「前園さん気分はどうですか?」


年配の看護士が俺の脈を
測りながら聞いて来た。


「だいぶマシになりました。」


「そう.良かったわね。
はい.脈も正常よ。(笑)」


「でも…気になる事があるんですけど…。」


「ん?どうしたの?」


「左側の感覚が無いんです。」


「えっ!?」


看護士さんは俺の左腕を
持ち上げてみる。


俺には腕を掴まれていると
言う感覚もない。


「ちよっと待っててね!!
先生を呼んで来るから…。」


少し経って来た先生は
星野の親父じゃなく…風格もない
冴えない奴だった。


カルテを見ながら
少し身体を触っただけで
わかりきったような顔をして
診察を終えた。


次の日.見舞いに来た母さんが
すぐに呼ばれ…病室に戻って来た
母さんの目は真っ赤だった。
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