* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「岳.きっとまた動くように
なるから!!
諦めずに頑張ろう。」


母さんはさっきから
何度も同じ事を言ってる。


そんな保証も無い慰めは
要らない。


「もう一人にさせてくれ!!
帰ってくれないかな!!」


「岳…。諦めたらダメよ。」


「うるさい!!早く帰れ!!」


母さんが泣きながら
病室を出て行く。


陸.お前は人をこんな身体に
しておきながらほんの少しの
刑期で出て来れるのかよ。


絶対に許せない…。


-コンコン-


母さんか?


「何だよ!!帰れって
言ったはずだろ!!」


「前園君…ちょっといいかな?」


母さんじゃない…。


「…はい…どうぞ。」


白衣を来た若い男が
入って来た。


「お前一人か?」


はっ?…何だよコイツ。


「はい…。」


「ちょうど良かった。
お前…俺の事覚えて
ねぇのかよ?」


「えっ?」


そう言えばコイツ…どこかで
会ったような…。


…あっ!!


俺は男の胸元に付いて
ある名札で確かめる。


「研修医  星野 拓海 」


やっぱり…。


星野の兄貴だ。


「星野のお兄さんですよね?」


「あぁ…思い出したか。」


コイツ…さっきから偉そうに
何なんだよ!!
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