* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
次の日.仕事が終わって
お袋に電話を掛ける。


「もしもし…俺。」


「あらぁ!!陸から電話して
くるなんて珍しい…どうしたの?」


「30分位したらそっちに行くから家の前に出て来てくれ。」


岳と顔を合わせるのが嫌で
俺は家の中に入る事を避けた。


俺は自分の産まれ育った家に
もう二度と入る事が出来ない
かもしれない。


「いいけど。車で来るんでしょ?
気を付けていらっしゃい。」


「大丈夫だよ。とにかく.また
家の前に着いたら電話するから。」


俺は車を走らせる。


3ヶ月前に免許を取って車も
社長の知り合いに頼んで年式
のまだ新しいステーションワゴン
を格安で譲って貰った。


家の近くに着くと懐かしい
建物が立ち並ぶ。


と同時に思い出すのは果凜の事。


果凜と一緒に行ったスィーツの
お店やゲーセン。


ゲーセンに行く度に
果凜はプリクラを撮りた
がってたっけ…。


短い期間だったけど
幸せな日々だった…。


今…果凜はどうして
居るのかな…?


もしかしたら…今.すぐ近くに
居るかもしれない。


果凜…会いてぇよ…。


やっぱり…俺には果凜を諦める事
なんて無理なのかもしれない。
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