* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
家に帰ると玄関前に知らない車が
止まっていた。


黒のベンツ…。


どう見ても怪しい車だ…。


婆ちゃんに危険が迫ってるかもしれない…。


俺は慌てて車庫に自分の
車を入れて家の中に入る。


玄関には高そうなエナメルの
靴がきちんと揃えられてあった。


「婆ちゃん!!大丈夫か!!」


リビングに入ると見慣れた
婆ちゃんの顔と懐かしい顔
があった。


「あら!!陸お帰り。そんなに
慌ててどうしたんだい?」


俺は婆ちゃんの言葉なんて
耳に入らなかった。


「……拓海君…。」


「よぉ.陸…久しぶりだな。」


そこには2年半ぶりに
会う拓海君が居た。


「陸のお友達なんだろ?
母さんから場所を聞いて
わざわざ尋ねて下さったんだよ。」


「急に尋ねて来て悪かったな。
お前に話しがあって伺ったんだ。
少し時間あるか?」


「はい…。婆ちゃん悪い
ちょっと出て来る。」


「あら.出掛けるのかい?
家でゆっくりしてもらえば
いいのに…。星野さんまた
ゆっくりいらして下さいな。」


「ありがとうございます。
今日は急にお伺いしてすみませんでした。」


婆ちゃんに見送られながら
俺達は外に出た。
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