* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆

出るな…!!


心の中で何度も呟く｡


俺は長く鳴り続ける
着信音に苛立ちを感じた｡


果凜が携帯を開く…｡


｢…アイツからなんだろ?
…出んなよ!!｣


俺は.また自分勝手な言葉
を言ってしまう｡


俺…マジ最低だ｡


｢ごめん…出るね…｡｣


その時…果凜の気持ちがもう
俺では無く…アイツに傾いて
しまっている事を思い知った｡


｢もしもし…ごめん.智
今.外なの…もうすぐ帰るから
帰ったらまた電話するね｡｣


果凜が戻る場所はもう…俺
じゃない…｡


電話を切った果凜に俺は
言ったんだ…｡


｢…帰りたいんだよな…?
送るよ…｡｣


｢………｡｣


果凜の家までの道が
永遠に続けばいいのに…｡


そう思う俺の気持ちは
今となっては.ただの独り
よがりでしかなかった｡


俺はもう.どうする事も出来ない
想いを抱えながら車を走らせる｡


何も話そうとしない果凜は
今.何を思っているんだろう?


アイツの事?


'帰ったらまた電話するね,


この後のアイツとの電話で
果凜は何を話すんだろう?


胸が締め付けられるように
痛い｡


果凜の家に着く頃には
それが苦しさに変わっていた｡