* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
少年院を出た後.岳の居る家に
戻りたくなくて婆ちゃん家に住む
ようになった俺は岳の事を気に掛
ける事すらしなかった。


あの日以来.俺の中で岳は
死んだも同然の存在だったんだ。


それなのに…岳の姿を目にして
からの俺は感情をコントロール
する事が出来なくなる。


岳を哀れんでしまう自分を
認めたく無くて…
俺は逃げていたのかもしれない。


俺の自己満足で犯した
岳への制裁。


それは親父.お袋.婆ちゃんまでも
苦しめる事になってしまった。


事件後の岳は自分の身体を受け
止める事が出来ずに荒れていたと
前に誠也から聞いた事がある。


俺の前では岳の事を話さな
いで居てくれた事でそんな
両親の苦労も知らずに…俺
は逃げてたんだ…。


今だってそうだ…。


「本当に何も知らないんだな。」


拓海君に言われた言葉に言い返す
事が出来ない俺が居た。


今.岳はどんな暮らしを
しているんだろう?


まだ親父とお袋は荒れる
岳を支えているんだろうか?


「俺…自分があんな身体に
したのに…
一番.岳が荒れてた時に逃
げてたんです。
今さら会って向き合う事が
出来るのかな…?」
< 283 / 437 >

この作品をシェア

pagetop