* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆

｢陸…今だから出来るんだよ｡｣


｢今だから?｣


｢あぁ｡以前のアイツだったら
まともに話しなんて出来なかった
だろうから｡
今のアイツなら…お前の事も
受け入れられる様になってると
俺は思うんだけど…｡｣


拓海君は岳から何を
感じたんだろう?


兄貴にも守るものが
出来たかもな…｡


そう言えば拓海君は
随分前にもこんな事を
言ってたっけ…｡


拓海君と話してから俺は岳と
向き合うべきかを真剣に考える
ようになっていた｡


拓海君に頭を下げたと言う
岳の企みは何なんだろう?


企み…｡


以前の岳から考えられる事と
言ったらそんな否定的な言葉
しか思い付かない｡


本当に岳は変わったんだろうか?

ずっと迷っていた俺は
誠也に相談してみた｡


｢誠也…俺.岳に会って
みようかな…｡｣


｢お前がそう思えるんなら
いいんじゃねぇの｡
岳の事.気になってんだろ?
会って来いよ…｡｣


俺は何かに悩んでいる時には
いつも最後には誠也に背中を
押して貰っている｡


今回だって誠也がそう言って
くれる事はわかっていたんだ｡


岳と向き合おう…｡


いつまでも現実に目を
逸らす訳にはいかない｡