* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
昨日.俺はなかなか
寝付けずにいた。


にも関わらず.いつもよりも
早くに目が覚める。


ベットの上でまだ眠い身体を
横たえながら昨日の出来事を
振り返る。


6年振りの岳との会話…。


俺は.岳がなぜ.あの場所を指定
したのか意図が見えずにいた。


それから…誠也の事。


「…ん?…あっ!!やべぇ…!!」


俺は慌てて跳び起きる。


「陸.今日は桃ん家に泊まるから
明日の朝.迎えに来てくれよな。」


「言われなくてもわかってるよ。
じゃあな…おやすみ。」


昨日.別れ際に誠也と
交わした約束。


佐伯の家に誠也を迎えに
行かなければならない。


余裕があったはずの時間が
刻々と過ぎて行く…。


マジ.やべぇ…。


「陸!!…朝ご飯は!?」


ドタバタしている俺の背中
に婆ちゃんが問い掛ける。


「ごめん.婆ちゃん!!
誠也.迎えに行かなく
ちゃいけねぇんだ…
食ってる時間ねぇよ!!
本当にごめん!!」


「そうなのかい…車の運転
気を付けてな。
はい.お弁当…今日も一日
頑張るんだよ!!」


「いつも.ありがと!!
じゃあ…行ってきます!!」


「行ってらっしゃい!!」


朝飯…抜きかぁ…。


キッ…。
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