* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
その気ままな陸は普通の公立高校に通っていて授業さえちゃんと聞いていたら進級出来るはず。


なのに陸は授業を受けるどころか
学校にもあまり行っていないみたいだ。


そんな陸が俺には羨ましい。


陸は小さい頃から自分の決めた
事は何があっても絶対に曲げない。


俺と言えば両親の悲しい顔や
困った顔を見るとすぐに諦めて
しまう。


俺達の小さい頃母さんはいつも
俺に言っていた。


「岳はお兄ちゃんでしょ。」


その言葉にも俺は長男として両親
の期待に添えなくてはいけないと
言うプレッシャーを背負っている
んだと思う。


長男…陸よりたった5分早く産まれただけなのに。


「…はよ。…あぁ眠てぇ…。お袋…飯くれ。」


「そんなに眠いなら夜遊びは止めなさい!!」


陸がやっと起きて来て始まる母さんと陸の毎朝の会話…。


「うるせぇな…。毎朝同じ事ばっか言うんじゃねぇよ!!」


「あんたが毎朝言わせてるんでしょ!!…すぐに作るから待ちなさい!!」


悪態を付く陸に母さんは怒りながらも甘い。


そう言っている俺も陸の事は嫌いじゃない。


悪ぶっては居るけど本当は優しい
奴だって知っているから。
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