* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「母さん.おはよう…。
ちょっと出掛けて来る。」


「岳…どこに行くの!?」


AM8:00


久しぶりに朝早くから
行動を起こす。


昨日までの俺なら
この時間から眠りに
ついていた。


朝と夜のだらしない
逆転の生活。


そんな生活から脱出
しなければ…。


もう母さんに「死」を
考えさせてはいけない。


「ちょっと待ってて!!
母さんも一緒に行くわ。」


「母さん!!俺もう大丈夫だから!!
信じてよ…。リハビリに…行って来るだけだよ…。」


「えっ。…わかったわ…。
気を付けて行ってらっしゃい。」


「うん…。行って来ます。」


母さんが心配そうに俺を
見送ってる。


前なら歩いて10分も
掛からなかった駅までの
道が今は30分も掛かってしまう。


「岳!!…車に気を付けなさい!!
信号無視はダメよ!!(笑)」


はっ?…幼稚園児じゃないし。(笑)


「…わかってるよ!!(笑)」


久しぶりに笑った気がする。


母さんの笑った顔も
何年振りに見ただろう…。


俺さえ頑張ればいつだって
母さんの笑った顔が見れるんだ。


そんな簡単な事なのに…
俺はそれさえ出来なかった。


母さん…俺.頑張ってみるよ。
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