* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「医者が患者を助けるのは
当たり前の事です。
それに…息子から聞いたんだが…
君はうちの娘と同じ学校の同級生
らしいね…。(笑)」


「えっ!?は.はい…。」


俺は動揺してしまった。


「だからかな…娘と同じ年頃の
若者に人生を諦めて欲しく
ないんだ…。
僕も医者である前に2人の子供の
親だからね…君の親御さんの気持
ちを考えると胸が痛くなる。
親にとって自分の子供って言う
のは自分の命より大切なんだよ。」


久しぶりのリハビリの帰り道
俺はずっと考えていた。


‘自分の子供って言うのは
自分の命より大切なんだよ。,


父さんや母さんの顔が
浮かぶと同時に先生の
顔が俺の脳裏を過ぎる…。


先生の命より大事な星野…。


あの日の星野の泣き叫ぶ
姿が目に浮かんだ。


必死に逃げ纏う星野。


なかなか抵抗を止めない
星野の顔を何度も平手打ちした。


そんな星野に歪んだ欲望を満たした俺。


最低だ…。


こんな俺を助けてくれた
先生の大切な星野を俺は…。


やっと…気付いた自分の
異常な感情と行動…。


最低だ…最低だ…。


俺はどうすれば…?
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