* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
家に帰ると美味そうな
匂いが漂っていた。


その匂いに俺の腹が鳴る。


朝からの外出とリハビリの
お陰で正常にお腹が空腹を
知らせてくれていた。


「ただいま!!」


リビングから母さんが
走って出て来る。


「お帰りなさい!!
お昼まだでしょ?
すぐに用意するからね!!」


「うん。ありがとう。」


手を洗ってテーブルに座ると
具だくさんの野菜スープに特大
オムライスが出てきた。


デカッ…。


「どうぞ♪たくさん食べなさい。」


「う.うん…。」


俺の顔ほどあるオムライス…。


食えねぇよ…。


一口頬ばる。


「…うまい…。」


「美味しい?」


「うん…美味い…。」


初めて食べた訳じゃないのに…
本当に美味いと思った。


今まではドアの外に時間になると
母さんが置いてくれた飯をすぐ
には手を付けず気が向いた時間に
食べるような生活。


食べる頃にはいつも冷めていて…
一人で食べる飯に美味いと感じた
事がなかったんだ…。


食べれないと思っていた
オムライス…。


完食してしまった。


「ごちそうさま。」


空になった食器を台所に
運ぶ母さんの目には涙が
浮かんでいた。
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