* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
俺がその人を見たのは
ちょうど一年半前。


初めて見た時は車イスに
乗っていたのに…。


息子と一緒にサッカーが
したいと言ってリハビリに
励んでいた人…。


歩けるようになったんだ…。


「あらぁ♪岳君.今日は
早かったわね!!
早速.始めましょうか!!」


「はい…。森先生.あの人?」


「えっ?…あぁ松本さん?
一年半前位かしら…うちの
病院に入院してた人なの。
退院してすぐに田舎に帰られて
久しぶりにこっちに出て来たん
で挨拶に来て下さったのよ。」


「確か…あの人…車イス
じゃなかったですか?」


「岳君.松本さん知ってるの?
そうよ…あれだけ回復するには
本人の努力があったからよ…。
向こうの病院でも頑張ったん
でしょうね…。
凄いわ…松本さん.息子さんと
サッカーがしたいってずっと
言ってたから…。」


スゲェ…。


松本さん…良かったね。


本当にスゲェよ。


俺の視線に気付いたのか
松本さんが俺に向かって来る。


少し足を引きずってはいるが
違和感を感じさせない。


「また始める気に
なったんだね。(笑)」


「えっ?」


誰かと間違えているのか?
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