* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
家に帰ると玄関に岳の靴があった。


岳の靴だけか…。


やっぱり果懍は来ていない。


避けられてるのかな?


2階に上がると岳の部屋から
お袋が出て来る。


「あらぁ。早かったわね。
まだ調子良くないの?」


「なんかダルくて…。
岳も帰って来てるんだろ?」


「えぇ。熱が出てね早退してお昼に帰って来たのよ。」


「えっ。俺の風邪が移ったんじゃねぇの?」


「今.風邪が流行ってるらしいの。
陸のせいじゃないわよ。」


そう言えば小さい時からいつも
先に風邪をひくのが俺でその後
すぐに岳も風邪をひいてたっけ。


「陸もまだ調子が良くないなら
少し寝たら?晩ご飯が出来たら
起こしてあげるから…。」


「うん。」


お袋が下に降りた後.岳の部屋を
覗くと顔を真っ赤にした岳が眠っ
ていた…。


俺が風邪で寝込んでいた時.夜中
に俺の部屋に入って来て寒く無い
ように何度も布団を掛け直してく
れてた事を俺は知ってるんだ。


「岳…ごめんな。」


俺は何に対して岳に謝っているのか?


自然に口から出た言葉だった。
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