* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
今日も時間になってリハビリ
を始めていると母さんが部屋に
入って来た。


母さんは俺がまたリハビリに
行かなくなっている事に気付き
始めている。


「岳.勉強が忙しいのはわかるけど
自己流のリハビリでいいの?」


「時間が合わなくてリハビリに
行く暇が無いんだ。
今は自分なりに頑張ってみるよ。
心配しないでよ(笑)時間が出来
たらちゃんと通うから。」


リハビリに行かなくなってもう
一ヶ月が経とうとしていた。


まだ完全に戻っていない身体
には自己流では限界がある。


自分が一番良くわかっていた。


それでも何もしないよりは
マシだと身体を動かす。


-R♪…R♪-


リハビリに集中し始めた俺の気
を逸らす携帯の着信音。


「…誰だよ。」


邪魔された事への苛立ちから
乱暴に携帯を開くと画面には
予想もしなかった人からの着信
を告げていた。


美咲…。


苛立ちが驚きに変わる。


-最低な人間だよ。-


-二度と顔も見たくない。-


あの日の美咲の言葉が一瞬
にして俺の頭を駆け巡る。


鳴り止まない着信音…。


俺は急激に早くなる鼓動を
感じながら電話に出た。
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