* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「…はい…。」


「……来てょ…。」


消え入りそうな美咲の声…。


「えっ…美咲?…どうした?」


「ッッ…迎えに…来てよ。」


美咲が泣いている。


「今…どこ?」


「駅…ッッ…毎日待ってたんだよ。」


思いがけない美咲の言葉が
俺に少しの希望を与えてくれる。


「美咲!!すぐに行くから
そこで待ってて!!」


違和感を感じていた身体が
嘘のように俺を美咲の元に
突き動かす。


駅に着くといつもの場所で
美咲が不安そうな顔をして
立っていた。


美咲は毎日.俺が迎えに
来るのを待っていてくれたのか?


美咲…俺はまたお前を
好きになっていいのかな?


最低な俺だけどお前は俺を
受け止めてくれるのかな?


「美咲!!」


美咲が俺に気付き駆け寄って
胸に飛び込んで来る。


そんな美咲を俺は
しっかりと抱き締めた。


「バカ!!私が岳君を嫌いに
なれる訳がないでしょ!!」


「美咲…ごめん…本当にごめん。」


「ずっと待ってたんだから!!
駅でも病院でも家でも!!
岳君が来てくれると思って
待ってたんだから…。
そんな簡単に諦めないでよ…。」


「諦めてなんか無いよ…。
ずっと忘れられなかったんだ…。」
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