* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
久しぶりの美咲の部屋。


もう二度と来る事は
無いと思っていたのに…。


俺は美咲を思い切り
抱き締める。


「美咲…会いたかった。」


「私もだよ…。」


美咲の温もりを感じて
俺は涙が出そうになった。


愛おしくて…愛おしくて…
より一層抱きしめる。


「岳君…私…岳君と一つに
なりたい…抱いて…。」


「…本当に後悔しない?
俺は最低な人間なんだぞ。」


美咲が頷く。


「岳君の全てを知ってでも
私は嫌いになれなかった。
そんな岳君でも好きで仕方ないの…。

岳君の罪は私も一緒に背負
っていくから…もう一人で
苦しまないで…。
私はずっと岳君の傍に居るから。」


美咲はこんな最低な俺でも
必要としてくれている。


我慢していた俺の
涙が零れ落ちた。


「美咲.ありがとう…。」


その日…俺達は一つになった。


「岳君…明日からはちゃんと
リハビリに来てね。
それから…駅にも…
この部屋にもね…。(笑)」


「わかった。(笑)」


これからの人生にはずっと
美咲が俺の傍に居てくれる…。


もう俺には肩書や
プライドなんて必要無い。


ただ美咲が傍に居てくれるだけで
幸せだと思えるんだ。
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