* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
朝から落ち着かない。


理学療法士試験にも合格し
陸にも胸を張って自分の今
を話す事が出来る。


合格受けた夜.俺はすぐに
陸に連絡した。


6年振りに聞く陸の声に
涙が出そうになる。


俺からの誘いに陸は
心よく承諾してくれ俺が
指定した場所はあの公園。


俺達の人生を狂わせてしまった
あの場所からまたお互いの人生を
見つめ直せたらきっと前に進む事
が出来る。


それに…あの日があったから
今の俺が居る…素直にそう
思えるから。


計算の無い自分の夢を
見つける事が出来…一生
守ってやりたいと思える
美咲に出会う事が出来た。


今なら陸と星野の幸せを
願う事が出来る…二人には
幸せになって欲しい…。
心からそう思えるんだ。


素直に陸に伝えたい。


陸との待ち合わせの前に
美咲の顔が見たいと思った。


-ピンポン♪-


「は〜い♪」


「俺…。」


すぐに開いたドアからは
愛しい美咲の顔が現れる。


「今から行って来る。」


そう言うと美咲が俺を
抱きしめる。


美咲は子供をあやす母親の様に
俺の背中を摩りながら言った。


「大丈夫だから…。」


その言葉に俺は勇気を貰った。
< 339 / 437 >

この作品をシェア

pagetop