* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
そんな陸との会話の中で
俺は衝撃の事実を知る。


「俺達…別れたんだ。」


陸の言葉に俺は耳を疑った。


陸は自分を責めていたけれど…
全ては俺のせいなんだ。


知らなかったとは言え美咲の事を
話した自分に腹が立った。


そんな辛さを俺に見せる事無く
俺と美咲の事を自分の事の様に
嬉しそうに聞いてくる陸に星野
さんが言ってた言葉を思い出す。


アイツは優しい奴だから。


陸が優しい奴なのは
俺だって知っている。


でもその陸の優しさを
俺は利用する事しか出来
無かった。


陸…本当にごめんな。


「陸…陸…。」


母さんは涙を流しながら
何度も陸の名前を呼んでいた。


そんな母さんを見て陸の
目からも涙が落ちる。


「お袋…今までごめんな。」


母さんは首を大きく横に
振り陸を抱きしめた。


母さんと陸の関係を
6年間も遠ざけたのも
俺だったんだ。


二人の姿を見て申し訳無い気持ちで一杯になった。


陸は落ち着く暇も無く
立ち上がる。


「お袋…俺そろそろ帰るわ。
岳…またな。今度.彼女紹介
しろよ!!」


「あぁ…わかったよ。(笑)」


母さんは寂しそうに
陸を見送っていたんだ。
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