* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
今までは大人しかった佐伯
さえも楓花を産んだ後は逞
しい母親に変身した。


楓花が泣いても動じる事なく
ドーンと構えている姿には貫禄
さえ感じさせる。(笑)


やっぱ女ってスゲェ…。


俺はいつもの様に楓花の
寝顔を見てそっと頭を撫でる。


楓花…お前のパパとママは俺の
大切な友達なんだ…。
これからもスクスク育ってパパと
ママにたくさんの幸せを与えて
やってくれよな…。


心の中でそっと呟く…。


「誠也帰るわ…また明日な。
佐伯.ご馳走さん!!」


「おぅ.明日な。」


「前園さん.また楓花の顔
見に来て下さいね。」


「あぁ。(笑)また来るよ。
佐伯もあんまり無理すんなよ。」


久しぶりに楓花に
癒しを貰った。


俺にとっても楓花の
成長が楽しみになっている。


あんな小さな身体で
周りを幸せに出来る
赤ん坊の存在はスゲェ
と思う。


誠也の家からの帰り車の
中から見覚えのある男が
女と手を繋いで歩道を歩い
ているのが見えた。


ん?…アイツ…たしか…。


少し雰囲気が違って見えたが
忘れる事の出来ない男の顔。


何でだよ…。


お前…連れて歩く女
間違えてんじゃねぇぞ…。
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